断熱と遮熱のお話

 冬には太陽エネルギーをたくさん取り入れて、暖房効率を高めます。
逆に夏は、南の窓から入ってくる太陽エネルギーを、アウターシェードでさえぎることで、日差しをカットし冷房効率を高めます。

 

【   目   次   】

▶アルミの1000倍熱を伝えにくい樹脂サッシ ▶日差しを86%カットするアウターシェード
▶金属膜で熱の伝わりを抑えるLow-Eガラス ▶遠赤外線を90%反射する遮熱防水シート

❑樹脂サッシ

家の省エネ化を考えるとき、壁や床、天井の断熱、そして日射をさえぎる遮熱のことを考えるのはもちろん大事です。

しかし、家のエネルギーは、開口部である窓を通して、冬に暖房の熱が逃げる割合は58%夏の冷房中に入ってくる熱の割合は73%にも及びます。
窓からそれだけのエネルギーが出入りしている事を考えると、間違いなく一番重要なポイントは「窓」なんです。

一般的な窓サッシの多くは、アルミ素材でできています。その素材をアルミより熱を伝えにくい、「樹脂」で作った窓が「樹脂サッシ」です。工藤工務店では、全棟100%樹脂サッシ[APW330]とLow-E複層ガラスを標準採用しています。
(断熱性能が低いアルミ樹脂複合サッシは使用しておりません。)

apw330

 

樹脂はアルミの1000倍熱を伝えにくい

アルミは樹脂や木に比べて熱を通しやすく、窓枠に利用するのは不向きな材質です。
窓枠に断熱性能が低いアルミを使うということは、窓を閉めているのに隙間風が吹き込むようなものです。
熱伝導率は、樹脂はアルミの1000倍も熱を伝えにくいのです。(木はアルミの1250倍、ガラスはアルミの200倍)
だから世界的にサッシは、樹脂や木質が当たり前になってきているのです。

樹脂窓

 

日本人だけが知らないアルミサッシの現実

アメリカでは全米50州のうち24州で、地球温暖化防止のためにアルミサッシの戸建住宅への使用が禁止されています。
しかし、日本の住宅で使われているサッシの大半がアルミでできています。世界の樹脂窓普及率は、アメリカで67%、ドイツ60%であるのに対し、日本はわずか10%です。
日本の窓の断熱性能基準は、緯度があまり変わらない中国、アメリカと比べ、とても低い性能基準になっています。
先進国の中でアルミサッシが主に使われている国は日本だけなのです。
日本国内ではアルミサッシが常識でも、世界では非常識になりつつあります。樹脂窓がこれからのスタンダードです。

まだまだコストが高い樹脂サッシですが、工藤工務店では2015年からアルミサッシは使用禁止にし、全棟100%樹脂サッシを採用しています。

世界の樹脂サッシ普及率

 
 

樹脂サッシは、お金のかからないエアコンです 

窓の性能を高めると冷暖房費の節約になります。
東京都で計算した場合、アルミサッシと比べ、年間で14,200円の冷暖房費の削減ができます。

年間冷暖房費の比較

 

樹脂サッシAPWは10年保証 

APWの窓には、ひとつひとつシリアルナンバーが刻まれています。
この番号には、その窓の製造記録や施工した日時、施工業者などが記録されています。施工は終わりではなく、アフターサービスの始まりです。保証対象となる不具合が発生した場合には、お引渡し日から10年間保証致します。窓は生涯使うものです。生涯トータルでの経済性を考えるなら樹脂サッシを選択するべきだと思います。樹脂サッシは、一度取り付けたらお金のかからないエアコンです。

  


❏アウターシェード

降り注ぐ日差しを 窓の外で86%以上カットします。
室内温度の上昇を抑え、エアコンなどによる電気使用量の低減に節電効果を効果を発揮します。

日中は外からの視線も程よくカットし、プライバシーが確保できます。
しかし、室内からは透視性が良いので、外の景色が楽しめ開放感は失われません。

アウターシェード アウターシェード アウターシェード
 
 

ブラインドやカーテンなども日射遮蔽に効果はありますが、窓の内側で遮蔽するのでカーテンの表面に当たる熱のほとんどが、室内に放熱されてしまいます。

夏の窓の内側にかけたブラインドは、表面温度が約35℃まで上がります。床暖房の設定温度は約25℃なので、それより10℃近く高い放射熱が室内に流れ出ているのですから、エアコンをつけてもなかなか部屋が涼しくならないわけです。

 一方、アウターシェードは窓の外で日射熱をカットしますので、遮蔽した熱は大気に放熱されます。遮蔽しきれなかった日射熱も、断熱low-Eガラスがカットしてくれるので、ダブルの効果で室内温度の上昇を抑えます。

すだれなどの日除けは、台風などの強風時に飛んでいってしまわないか心配ですが、アウターシェードはプルコード式で簡単に巻き上げることができますので、 台風の時や、日よけを使用しない季節にはスッキリと収納できます。

アウターシェード

 


❑Low-E複層ガラス

〈Low-E複層ガラスの断面図〉
LOW-E複層ガラス

 

普通のガラスと違い、複層ガラスの内側に「Low-E膜」という熱の伝わりを抑える、特殊な金属膜をコーティングしています。

複層ガラスにLow-E膜をプラスするこにより、さらに高い断熱性能と日射遮蔽性能を実現しています。

 

2種類のLow-E複層ガラスを使い分ける

 Low-E複層ガラスには、2つのタイプがあります。
遮熱タイプは、断熱はもちろん明るさを取り込みながらもガラスに当たる日射熱を遮り、室内を涼しく保つタイプです。
断熱タイプは、しっかり断熱しながらも太陽熱の暖かさを取り込んでお部屋を暖かく保ちます。

 

日射熱を遮って室内を涼しく保つ
Low-E複層ガラス(遮熱タイプ)

Low-E複層ガラス(夏)

日射熱を取り込んで外に逃がさない
Low-E複層ガラス(断熱タイプ)
Low-E複層ガラス(冬)

 

方位に合わせて最適なガラスを選ぶ

遮熱タイプ、断熱タイプを使い分け、方角や時間で変化する日差しを上手に活用します。
窓の設置する部屋の方角によって、目的に合ったガラスを選びます。


ガラス(北)

ガラス(東)
 ガラス(西)  ガラス(南)


❏遮熱防水シート 

断熱防水シート

外壁、屋根の下地防水シートには、遮熱タイプの防水シート(外壁:遮熱エアテックス 屋根:遮熱ルーフエアテックス)を使用しています。

アルミフィルムを蒸着しているので、遮熱性能(熱を反射)、透湿性能(湿気を排出)が格段に高くなり、 遮熱シートが熱を反射することで、室内側への熱の侵入も大幅に軽減できます。

遮熱シートにより、外壁は、外部からの遠赤外線を約90%反射、室内への熱量の侵入を約40%低減できます。

屋根は、屋根下地材裏の温度が6~8℃低減します。
室内の冷房効率がアップし、省エネにつながります。

 
 

太陽に素直な家

まず、隣家の配置、2階の形状、窓の位置などを記録します。そして、隣家が落とす影を想定し、その上でもっとも日当たりが良い場所にメインとなるお部屋(LDKなど)を配置し、隣家との重なりなどを考慮しながら、最適な位置へ窓をレイアウトすることにより、積極的に風を取り込めるプランニングになります。

また、隣に家が建っていない場合でも、将来的に家が建った時に、日陰ができることを想定してプランニングします。そうしておけば、完成してから数年後に南側に家が建っても、想定していた通りの日当たりが確保できます。

冬は、太陽エネルギーをしっかり取り入れられれば断熱性能の高さから取り入れた熱を外に逃がしませんが、太陽エネルギーの取り入れが少ないといくら建物の熱が逃げにくくなっていても自然に暖かくなる家にはなりません。

夏は、南の窓から入ってくる太陽エネルギーをしっかりカットできていれば、普通の家より圧倒的に涼しい住宅になりますが、できていなければ、断熱性能が高い分、普通の家よりも暑い家になりかねません。

 いくら断熱性能を上げても、太陽エネルギーを上手に利用しないと意味がありません。
冬の太陽エネルギーの取り入れ」と「夏の太陽エネルギーのカット」はとても重要な意味を持ちます。 

 

❏最後は、断熱性能・遮熱性能の高いお家がお得で安全なんです

家楽な住まいは、断熱等性能等級の最高等級(2020年新省エネ基準)をクリアしていますので、とても断熱性の高い省エネ仕様の住宅です。だから、全期間ずっと固定金利で安心、 低金利のフラット35S(金利Aプラン)が建物追加工事費ナシで利用できます。
通常のフラット35とくらべて875,173円もお得です。
※借入額3,000万円(融資率9割以下)、借入期間35年、元利均等返済、ボーナス返済なし、借入金利年1.47%の場合

また、高断熱省エネ住宅なので、水道、電気、ガス代がなんと年間95,590円も安くなり、35年で3,345,650円もお得です。
光熱費をぐっと抑えることができるので、地球とお財布にやさしくとってもお得です。
※ 光熱費は、2020年新省エネ基準を満たしていない住宅と比較しています。
※住宅全体のエネルギー消費量の計算は、建築環境・省エネルギー機構(IBEC)の一次エネルギー消費量算定プログラムで算出しています。  

 

【水道・光熱費シュミレーション】

 ※建物床面積98.12㎡(29.68坪)、家族構成大人2人、子供2人の設定で計算しています。
  
光熱費シュミレーション
 

これから未来、電気料金は上昇し続けると予測されています。

(再生エネルギーのコストを、国民全体で負担するようになると思います。)
ソーラーパネルを使って、電気を発電しようとする考えはありますが、電気の買い取り金額は年々下がり続けていますし(それでもヨーロッパ諸国に比べればそれも高い方です。)、将来いくらで買い取ってもらえるか保証もありません。
メンテンナンス費用、修理費などを考えたら、かなりリスクのある投資になるはずです。 
    
それなら、電気使用量、光熱費が少ない家を作った方が安心なはずです。「使う電気を自分で作る家」より「使う電気が少なくてすむ家」に住んだほうが、将来予期せぬことが起きた場合に安全だと思いませんか。

 
 
 
 
 

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